第18章 松野たちのテスト計画
6月の第一週目。高校に入って初のテストが行われる。その一週間前……
「一緒にテスト勉強しませんか?」
学級委員会議終わり、チョロ松くんから一緒にテスト勉強をしようと誘われた。私は特になんのためらいもなく、
「うん。いいよ」
と答えた。実は私、テストが苦手だ。中学の頃も平均点以下の点数を取っていた。たまに赤点ギリギリの点数を取る時もあった。なんとか赤点を免れていた理由は、友達とのテスト勉強である。今回は他校に友達がいるため、そういうのがないかと思っていたが、チョロ松くんから誘われたことにより少しは教えてもらえるだろうと期待してしまった。
(チョロ松くんはおそ松くんと比べたらバカではないだろうし)
「やった!」
チョロ松くんは少し控えめにガッツポーズをして、
「じゃあなんの教科がいいかな? やっぱ国語とか数学は難しそうだからやっておいた方がいいし……松野さんはなんか苦手な科目とかある?」
と聞いてきた。
「あっ、私数学苦手なんだよね……」
私は昔から理数系が特に苦手である。いくら勉強したとしても数学や理科に関しては、一番赤点ギリギリを取ってしまう確率が高い科目であった。