第11章 おそ松くんと5人の松野くん
その後、
「なんだ、今の声は! 松野かっ!?」
と怒るように廊下から、職員室から大声を聞きつけたのか先生たちの声が聞こえる。おそ松くんはまだ廊下近くの教室内にいて、中断していた作業の方を見ていた。そして口を開き、
「うわー……どうしよ、でもまあいっか。わりぃ十四松。さてと、松野ちゃん準備して。帰るよ!」
私はおそ松くんの言葉に驚いた。しかし考えてみるとおそ松くんが言いそうなことだったので、
「うん……分かった」
きっと、おそ松くんに似たのかもしれない。私も共犯者になってみようと思ったのだ。