第9章 松野班
私が先生のところへ用紙を出しに行った時のこと、担任の先生から一言、
「男子松野のこと、よろしく頼むぞ」
と言われる。
(これはどういう意味なんだ……責任が重い)
「後、ちゃんと班員の子たちと仲良くやるんだぞ。そして何かあった時用に連絡先の交換もしときなさい」
「……はい」
私が帰ってくると3人はなんらかの話で盛り上がっていた。見た限りだとおそ松くんを中心に。おそ松くんのすぐに人とフレンドリーに接せるところに私は羨ましさを感じていた。私も見習いたい。
「あっ、お帰りなさーい」
おそ松くんがそう言う。
「じゃあ改めて自己紹介しますか……俺は松野おそ松でーす。一応学級委員やってまーす」
おそ松くんから順に自己紹介をしていく。
「私は女の子です。気軽に女の子とか呼んで下さい」
女の子さんが自己紹介。少し恥ずかしがり屋な性格にみえた。きっとだが私と似ているのかもしれないとも考えられた。
「えー、男の子です。野球部に入ってます」
男の子はしっかり者の性格にみえた。私やおそ松くんよりリーダーに向いている気がした。
「松野……です……私も学級委員やってます」
私も自己紹介をした。おそ松くんとはあまり変わらない感じだったが。一通り自己紹介が終わり、おそ松くんは勢い良く、
「それじゃ、自己紹介も終わったし……じゃあこれから仲良く……」
「あっ、待って!」
私は担任に言われたことを思い出した。