第42章 松野たちの補習後 part.2
私が問題用紙を出している最中、おそ松くんが、
「なぁ。この前の花火大会のことなんだけど……」
(うっ……!)
きっと帰り道のことだ。あの時の私はどうかしていたし。
「いやー……なんで俺関係あるのかなってずっと考えててさ」
(やっぱり……)
私は理由を言う。
「だから、チョロ松くんと出会えたことはおそ松くんがいなかったらあり得なかったってことだよ」
と言う。この言い方だとやはりおそ松くんからしたら私はチョロ松くんが好きだと思われるのか。
「ふーん……じゃあ俺って恋のキューピット的なやつだったのかな?」
とドヤ顔で話してくる。私は、
「てかさ、私チョロ松くんと付き合う前提なわけ?」
「えっ?」
(あっ……言ってしまった……溜め込み過ぎると口走ってしまう癖がつい……)
この経験は図書室での勉強会で起こったことがいい例である。しかしまたやってしまうとは。おそ松くんは、
「だってそうなんじゃねーの? 俺は松野ちゃんはチョロ松のこと好きだと思ってたけど?」
私はさすがにここでチョロ松くんに対して恋愛感情がないと言ってしまえばそれがおそ松くん経由で彼にバレてしまうと思い、
「とっ、とにかく、映画よ映画。一緒に過ごしてみてどうかって話。だからまだ分かんない」
(あーあ。本当はおそ松くんが好きなのに……)
私ははぐらかし、その気持ちを隠しておそ松くんに話したのであった。