第38章 おそ松くんとの花火大会後
おそ松くんは急に顔を赤く染める。そして、
「そっ、そうなんだ……じゃあ付き合っちまえよ。お似合いだと思うぜ。あいつ俺より頭いいし真面目だし。きっと浮気なんて早々しねぇやつだからさ。もし告白されて迷ってるんなら付き合う方が得だと思うけどな……」
と背中を押してくれた。けど私は何故かその言葉を受け入れられなかった。確かにチョロ松くんのことは好きだけど、愛しているとは違うと思っているから。もし愛してるの方だったらすぐに返事は、
『はい』
と返していただろう。心の整理が付かないまま駅へ到着。
「とりあえず付き合うかどうかは悩んでるから。でちゃんと答えは出すから!」
と焦り、
「とにかくまた今度ね! おやすみなさい!」
ときっぱり言い、改札を通り駆け足で駅のホームへ向かった。つまりは逃げ出した。私はこの時走った後に疲れて心拍数が上がっているのか、恋をしていて心拍数が上がっているのか分からない状態になっていた。