第37章 松野家線香花火大会
やたらと重い空気が流れる。私は静かに6人を見守っていた。そんな中、決着はあっけなくついた。
「いやっふーーい! 俺様の勝ちだぁー!」
おそ松くんが勝ったのだ。さすがは長男、持っている運は強い。
「てなわけで松野ちゃんは責任持って俺が送るからな!」
と言い張るが、
「えー、なんでよりによっておそ松兄さんなわけー? 一番危険に近いっつーの……だから松野ちゃん、何かあったらすぐにぶん殴って逃げてね」
とトド松くんがおそ松くんが送ることに対して不満げに話したり、
「夜道は危険だからな……俺が守ってやれなくてすまない……」
と悲しむカラ松くん。六つ子はみんな優しかった。その時、私はチラッと負けてしまったチョロ松くんの方を見る。チョロ松くんはどこか悲しい顔をしていた。しかしそれは私にしか分からない気もした。おそ松くんは、
「お前ら、俺なら安心だっつーの! そういうわけなんでまた後でなー。じゃっ、いこ。松野ちゃん」
と言い、2人は歩き出した。