第36章 松野たちの手持ち花火大会
花火を片付けている最中、携帯の時計を見ると時刻は既に21時を回っていた。
「あっ、もうこんな時間か。帰らないと……」
と私は呟く。すかさず、
「じゃあ暗いから駅まで僕送るよ」
とチョロ松くんが言うが、
「はぁ? なんでチョロ松なんだよ。俺が送ってくから!」
とおそ松くんが。
「あっ、ずるい! 僕だって松野ちゃんともっとお話したいー!」
「ぼくもー!」
「ふっ……次男の俺にも権利はあ……」
「なら俺も……」
次々に松野くんたちが名乗りをあげる。混乱し出した私。だけど1人なんて選べっこない。そう思っていた矢先、
「じゃあこの残った線香花火で誰が一番落ちないでいるかってやって勝ったやつが松野ちゃんを駅まで送れるってのはどう?」
とおそ松くんが提案してきた。それに他の5人は顔を見合わせすぐに6人はろうそくを囲った。こうして私を駅まで送るがために松野家線香花火大会は始まった。