第13章 愛を語ろう@烏野高校排球部
澤「そうだな…憲法とか?」
「おお…日本国憲法か!それは浮かばなかったな。素晴らしい考えであるぞ!」
美心の事だから辞書に出てくるような意味では満足しないだろう、と澤村は思い、それは見事に当たった。
澤「おう、サンキュ」
「では次…月島ァァ!!」
美心は、帰る気満々の彼を指差し呼び止めた。
月島は気だるげにヘッドホンを外し、嫌悪感丸出しの顔で問い返した。
月「…なんで僕なんですか?普通次は菅原さんデショ」
菅「えっ、俺まだ考えてないから…やめろ月島!」
「逃げようとしてたからに決まっているだろう!
さあ、早く君の考えを聞かせてくれ!」
半身外へ出ていた月島は顔をしかめ、ハア、とため息をついて言った。
「そんなの、辞書で引けばいいじゃないですか」
澤「オイ、月島っ…」
そんなんじゃダメだろ…!
…なんて思った澤村だが、美心は思いの外呆気なくこう言った。
「ほう、アガペーか」
菅「意味わからん」
澤村は取り敢えず安堵の表情を見せた。実は、彼も美心の永遠の語りに遭った被害者なのである。
美心が携帯辞書を見せている隙に、月島はさっさと部室を出て行ってしまった。
山「待ってツッキー!
あ、俺もツッキーと同じです!じゃあお疲れ様でしたー!」
他の者が挨拶を返す隙もなく、山口もそそくさと出て行った。