• テキストサイズ

青春メモリアル【短編集】

第11章 白に指環@影山飛雄




「美心」

「ん?なぁに…」

影山は美心の左手を取り、薬指の爪に優しく口付けた。
音のない口づけ。だがいつもと違う雰囲気に、美心は真っ赤になる。

自然と出た行動、という感じだ。


「飛雄くん…っ」

「…俺、白好きだから」


そう言って、もう一度口付ける。今度は爪から付け根へと、ゆっくり唇を這わせた。“俺のものだ”と言うかのように、優しく、愛を込めて。

「うん…だから白にしたの」

美心は顔を真っ赤に火照らせた。影山の舌が指に当たり、くすぐったさと恥ずかしさで顔を背けた。



影山は最後にチュッと音を鳴らし、唇を離した。
2人はなんとなく目が合い、羞恥でどちらともなく目を逸らした。


チラッと美心を盗み見た影山は、ぷくりと桃色に色づいた唇に気がつき、思いがけない衝動に駆られた。





「ッ⁉︎とびおくっ………!」



/ 145ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp