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青春メモリアル【短編集】

第8章 ドライヤー@赤葦京治




食事を終え、風呂にも入れば、あとは自由時間。

ボーイズトークとやらを始めた梟谷排球部の部屋から、「トイレに行ってきます」と言い、赤葦は脱出する事に成功した。

木兎さんには捕まりたくない……。

用を足し、少し風に当たろうかと考えていると、何処かから“音”が聞こえてきた。特にする事も無かったので、極めて小さな好奇心で音のする方向へ行ってみた。


ブオオォ……

其処は洗面所。聞こえてきたのは、ドライヤーの音だった。

扉の向こうには、誰がいるのか。おそらく女子だろう。
赤葦は気になったが、扉を開けるのは気が引ける。止めておこうと踵を返した時、後ろからガラリと引き戸の音がした。

反射的に振り返ると、「あっつー」と手で首元を扇ぐ美心が居た。

「…桐谷さん」

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