• テキストサイズ

青春メモリアル【短編集】

第8章 ドライヤー@赤葦京治




木「なぁ、烏野のマネちゃん、何て名前なんだ?」

日「え、清水さんですか?清水潔子さんですけど…」

黒「おお、名が体を表している…」

月「そのセリフ、どっかで聞いた様な気がしますネ…」

第3体育館から食堂へ向かう途中、木兎が始めたマネージャーの話を、赤葦は静かに聞いていた。

黒「でもさ、梟谷のマネもレベル高いじゃん。特に…あの可愛い子」

木「可愛い子いっぱいいてわかんなーい!」

黒「ほら、あのピンクのTシャツでさ…」

木「うーん…赤葦、誰だっけ?」

「…桐谷さんじゃないですか?」

木「あ、そーだ!桐谷美心ちゃん!」

黒「へぇ、桐谷美心…ね。彼氏いるか知ってるか?」

木「あー、そう言えば……美心ちゃんは止めといた方がいいぞー!ちょっとガッカリするから」

黒「何でだ?」

その場にいた全員が息を呑む。

木「それはな…美心ちゃんには好きな人がいるからだ!」

黒「はぁ?んなの関係ねえだろ」

木「それがさあ、バレバレなんだよ。なんつーか…好きな人いますってオーラ全開な所とかさ。見てるとさ、自分の気持ち関係なく応援したくなるんだよなー」

黒「それは木兎がお人好しなだけだろ〜?」


好きな人…。

目を閉じれば、すぐに浮かぶ彼女の笑顔。
その笑顔を独り占めしたい、と何度思ったことか。

赤葦は目を開け、フゥ、と息をついた。


——気づけば、食堂は目の前だった。

日「うーん、飯ー!!!」

日向が猛スピードで食堂へ突っ込んだ。

その背を目で追い、赤葦はまたため息をついた。

/ 145ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp