第7章 忘年の夜@国見英
「ほら、メッセージ見た?」
「もう、何よ…」
何かあるんなら口で言え。
そう言いかけた美心だったが、それは言葉にならなかった。
チャットを開くと、そこにはたった一言。
「…ちょっと来て」
いつもの躊躇いもなく、国見の腕を掴み自分の部屋まで連れて行った。
バタン、と勢いよく扉を閉め、美心はベッドへダイブした。腕を解放された国見は、寝転がる彼女の隣に座る。
「…どういう事?」
「そのまんまの意味だけど」
“すき”
変換もされていない、彼らしい告白。
「聞いてない…」
「今初めて言ったから」
冷静な声を発する国見とは対照的に動揺を隠せない美心、彼に苛立ちを覚えた。
そんなの…こんなに近くにいるのに。
「…そういうのは、直接言ってよ」
すると、国見は1つ深呼吸してこう言った。