第16章 4月1日の罠@緑間真太郎
「その…、」
「うん………
…あっ」
その時、突如頭に浮かんだ“それ”に、美心は声を上げた。
「な、何なのだよ」
「フッフーン。分かったよ、緑間」
美心は彼の顔を覗き込み、人差し指を立てて言った。
「今の流れは…
告白ね⁉︎」
緑間はギョッとし、今度こそ顔を真っ赤にした。
「な、何を言っているのだよ!
俺は別にお前の事など…」
「ほんとぉ?」
一方、見破ったと思っている美心は得意げな顔をしている。
だが、これが推理の全てではない。美心は気づいたのだ。
今日の“日付”に。
「いい、緑間!今日は何月何日?」
「フン、今更なのだよ。4月1日に決まって……!!」
緑間もやっと気づいたようで、ショックで頭を抱え込んだ。
人事は尽くしたつもりだったのに…!
「そう、今日はエイプリルフール。
つまり、その告白は嘘よ!」
「くッ、俺とした事が…」
会話だけ聞けば緑間もノッているように聞こえるかもしれないが、そうではない。