第16章 4月1日の罠@緑間真太郎
本当?いや、嘘な訳ないか…緑間だし。
それにしても早くないか?今、朝の6時ですけど!
ってか、本当だったら……ちょ、支度、支度!!
美心は跳ね起きて、ある程度髪を梳かしてから恐る恐る窓を開けた。
家の前にいるのが本当かどうか確かめる為に。
美心の部屋はこの一軒家の2階にある。見下ろすと、特徴的な緑色の頭が見えた。
しかも、あまりの衝撃に呆気に取られていた美心とバッチリ目が合ってしまった。
「…ちょっと待ってて!」
外にそう叫んでから、勢いよく窓を閉めた。
パジャマを脱ぎ捨て、洋服に着替える。今までに無い猛スピードで、だ。
美心は、学校に遅刻しそうになった時でも、これ程急いだ事は無かった。