第15章 いつもの日に愛をひと粒@縁下力
部活の後はいつも縁下と恋人の時間を過ごす。
今日も、家路の途中に公園の低い塀に腰を掛けて、普段通りにお喋りをして過ごす。
「コーンが取れん…」
自販機で買った缶のコーンスープに奮闘する美心。
縁下はそれを見ながらも、しれっとブラックコーヒーを啜った。
「…何優雅にコーヒー飲んでんのよ」
「取ってほしいの?コーン」
普段は敬語だが、恋人としての会話はこうしてタメ語を使う。
美心は、そんな時々見え隠れする縁下のSっ気に、ドキドキしていないとは言えなかった。
「いや、もーちょい頑張る」
底を叩いたり振ったりする美心の隣で、縁下はクスリと笑みを零した。
1つ上の年上彼女が、愛おしくてたまらないのだ。