第2章 〜陸上部〜
「僕は、大野智。陸上部の3年」
彼はそう言って僕の頭を撫でると校庭へ行ってしまう。
「...っ」
触られた頭を触る。
まだ感触が残っている。
「にのくん?」
そう言って相葉さんが呼んだ。
にのくん?
そうだ。
相葉さんが“にのくん”って呼んで良い?
って聞いてたんだ。
「何ですか?」
僕は笑って聞いた。
「...何でもないや。陸上部、入ってね!」
相葉さんは苦笑いで言った。
どうしたんだろう?
もやもやするから言って欲しかったな?
「じゃあ和、行こっか?」
翔くんは言って僕の腕をひいた。