第1章 〜出会い〜
その日の放課後、僕は翔くんに陸上部の練習をする場所へ、連れて行ってもらう事にした。
「顧問には和の事言ってあるから、心配しないで」
翔くんは、何でも先にやってくれる。
けど、たまには僕にもそういうの、経験させてほしいって思う。
「入る時には俺に言って。俺が顧問に伝えとくからさ」
「陸上部の練習って、かなりキツい?_____僕、体力ないからさ、キツいの苦手で…」
僕のイメージは、陸上部はとても辛い。
そんなイメージ。
「そんなにキツくないと思うよ。あくまでこれは、俺自身の意見だからあんま頼りにしないほうが良いけど」
翔くんは言った。
「翔ちゃん!その子は?」
翔くんと同じ服装の爽やかな男の子が聞いた。
「ああ、俺の従兄弟。今日は陸上部の見学なんだ」
翔くんはそう言って僕を紹介した。
「そうなんだ!ねえ、何年生?あと…名前は?」
「1年の二宮和也です。貴方は?」
「んーと、相葉雅紀!翔ちゃんのクラスメイト!宜しく!」
変に元気だな。
けど、僕は自然と笑顔になった。