第1章 〜出会い〜
僕は、今まで、とても退屈だった。
彼と、出会うまでは________
「和ッ!」
僕に従兄弟の翔くんが声をかけてきた。
「翔くん、どうしたの?」
翔くんは、僕の事を『和』と呼ぶ。
けど、僕は翔くんの事を、君付けで呼ぶ。
何故なら、翔くんが僕より一つ年上だから。
まあ、それはどうでも良いとして。
「今、ヒマ?」
「うん、ヒマだよ。恐ろしいほど退屈なんだ」
僕はため息をついた。
「和って帰宅部でしょ?」
「うん、そうだけど?」
「じゃあさ、陸上部に入らない?」
翔くんは言った。
「僕が、陸上部!!!?」
「…」