第5章 すれ違い
翌日、松野くんは迎えに来なかった。
昨日も冷たい気がしたし…
私なにかしちゃったのかな…?
なんとなく重い気分で学校に着いた。
「よし、仕事頑張ろう!」
気持ちを切り替えて仕事を始めた。
気がつけば時間はお昼になっていた。
「お弁当、どうしよう…」
いつもお昼休みの時間になると走って保健室に来るのに、
今日はどれだけ経っても松野くんは来ない。
「先生!」
「松野く…あ、松原先生…。」
とっさに松野くんの名前を呼んでしまったが、
そこにいたのは資料を頼まれていた松原先生だった。
「頼んでいた資料、まだなんですか?!」
「す、すみません!もう少しかかりそうです…。」
「次の事業で使うって言いませんでした?!」
「急ぎます…!」
お弁当はお預けでパソコンに向かう。
「あとはコピーするだけ…。」
なんとか時間までにコピーも終わり、
松原先生の教室に資料を持っていくついでに、
松野くんのクラスにお弁当持っていこう。
「資料です。遅くなってしまって本当にすみませ…」
「ギリギリじゃないですか!…もっとしっかりしてもらわないと困ります!!」
資料を強引にとられ、教室のドアを勢いよく閉められた。
…怒らせちゃった。私、だめだめだなあ…。
重い足取りで松野くんの教室へと向かう。