第3章 コーヒー
一人暮らしを始めたての頃は料理のバリエーションも少なく、オムライスばかり食べていた頃もあった。
そのおかげでオムライスは10分とかからず
あっという間に出来た。
松野くんは親には連絡したとは言っていたけど
心配するだろうし9時には帰せるようにしよう。
そんな事を考えながらテーブルにオムライスを運ぶ。
「え、ちょっと待った。」
「?」
松野くんはオムライスを凝視している。
オムライスは失敗していないし、
見たところゴミも入っていない。
「ここ。」
「ケチャップ…?」
「そう。ケチャップ。」
松野くんは卵の上にかけられたケチャップに不満があるらしい。
「俺的には『おそ松くん♡』とか書いてほしかったんだけど!!」
「えぇ…」
「次はちゃんと書いてよ?先生のは俺が書くからさ!」
次って…また食べにくるつもりなのかな…。
『おそ松くん♡』…付き合いたてのカップルみたい…。