• テキストサイズ

とある双子たちのお話

第4章 黄瀬涼太の双子の話



「りょーちゃんが、テッちゃんにすぐ懐いたのって、もちろんバスケが関係してると思うけど、実際のとこ、敬語もあるよね…?」

「確かに…」

「僕の敬語ですか?」

「うん、だって、りょーちゃんには…」

「!」

「あ、ごめん」



部活の始まる前、いつものように談笑している時に出た黄瀬が黒子に懐くのが早かったこと。
もちろん、目の前で黒子のバスケを目の当たりにしたのは間違いないのだが、それに合わせて馴染み深い口調もあるのではないかと幼馴染のは口にした。



「おいおい、黄瀬ぇー
を泣かせる気か?」

「違うッスよ!
まぁ、いつかは話とかなきゃっては思ってたッスけど…」

「なんのことだい?」



いつの間にかレギュラー陣が周りを囲むようにして立っていた。
慰めるかのように青峰はの頭を撫でているのを横目に、キャプテンである赤司へと視線を動かした。



「俺、双子なんスよ」

「…は?」



黄瀬から出てきた言葉に全員が驚いた表情を浮かべていた。


双子。



「黄瀬ちーん
嘘ならもっといい嘘ついてよー」

「嘘じゃないッスよ!」

「馬鹿が2人もいるのか…」

「うーん。
りょーちんはバスケ馬鹿だし、頭も良くないけど
けーちゃんは頭、いいよ?
せーちゃんと同じくらいじゃないかな」



から出た言葉に赤司と緑間は頭を抱えた。
頭脳はすべて双子に持って行かれたらしい。
通りでこいつは馬鹿なんだと改めて深いため息をついた。



「写真ないの?」

「あるッスよー
スリーショットが」



置いていた携帯を取ると、画像フォルダを開き、すぐさま画像を見つけた。
そして、携帯を赤司たちへと向けた。
黄瀬の顔が2人。
その間にはが嬉しそうに2人の腕を組んでいた。
いつも見たことがある黄瀬の髪色と、見たことがない黒髪の黄瀬。
眼鏡をかけていて、いかにも頭が良さそうなのが顔に出ていた。



「黄瀬くんの黒髪、見慣れないですね」

「あ、もしかしてこの双子くんが敬語で話す…?」

「正解ッス。
だから黒子っちの敬語は心地いいんスよ」



と、嬉しそうに語る黄瀬に、興味無さげにはいはいと返す黒子に全員が笑みを浮かべた。
そして、いつも通り部活が始まる。



/ 30ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp