【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第7章 2次試験・後編
誰も私を人として見てはくれなかった。
「じゃあ俺はやっぱり獣の方を選ぶよ。
殺人中毒者の思考はなんとなく分かるしね。
姑息な手は使わず真っ向から挑む、そんなイメージだから」
私のイメージともあながち違っていない。
「そうだな。
じゃあ獣の道にするが異論はあるか?」
「ありません」
私も同意見だ。
「なら行くぞ」
道を決め、歩き出した。
「それにしてもリアって博識なんだね。
よく知ってたね、その刑務所のこと。
俺知らなかったなー」
「ええ、まぁ」
だって私は闇に生きる人形だもの。
闇の事情は誰よりも詳しい。
「あの…」
「んー?どうしたの?」
「…ありがとう、シャル」
言い慣れない言葉と、呼び捨てに心拍数が跳ね上がる。
「なんのこと?」
キョトンと首を傾げた。
「先程の言葉、少し救われました」
ちゃんと私自身を見てくれる人が居る。
そう感じることが出来た。