【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第6章 2次試験・中編
誰とも深く関わらず相手と一定の距離を保つのは、己の為なのかそれとも相手の為なのか。
俺みたいな部外者が容易に立ち入ることの出来ない、暗くて深い闇が彼女の内側に漂っている。
良く言えばミステリアス、悪く言えば怖い。
彼女の内側は全く見えない。
何か重いカセを背負っていてそれに埋もれてしまわぬように必死にもがいてるんじゃないか、そう思えてならない。
起きている時は隠せても寝ている時には隠せない。
寝顔は嘘をつかない、という意味が初めて分かった。
リアの辛く苦しそうな顔は直視出来ない。
苦しそうといえば聞こえは良いが実際はそんなものじゃない。
今にも消えてしまいそうな痛々しい表情。
出来ることならそんな顔2度とさせたくない。
こんな華奢な身体で、その重荷を背負い続けることは出来るのだろうか。
俺は…。
「辛いんだよね」
そんなこと出来ない。
1人で生きて行くことは出来てもその重荷と共に一生過ごすことは出来ない。
いつかそれに押し潰されてしまうから。