【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第6章 2次試験・中編
いつかその重みに押し潰されはしないだろうか。
壊れてしまうのではないか。
彼女のことが心配で心配でたまらない。
「っ…」
パチッとリアがいきなり目を開けた。
リアの顔を見つめ、触れようとさえしていた俺とはすぐに目が合った。
「だ、大丈夫?」
乱れた呼吸を整えようと努めている彼女の瞳は水分を多く含んでいて、今にも溢れ落ちそうだ。
心なしか肩が小刻みに震えている。
「え?あ、ええ…大丈夫です」
口元に笑みを浮かべてはいるけど頬が引きつっていた。
「怖い夢でも見たの?取り乱して」
優しく声をかけたつもりの俺だけど実際は。
こんな風に怯えるんだな、とか不謹慎なことを考えていたりする。
心配そうな顔を浮かべてどんな風に泣き、笑い、怒り、悲しむんだろうと考える。
「そうですね…。
とても怖い夢でした」
でも平気です、と無理して微笑むリアを見て。
抱きしめたい。
そう思った。
リアの不安は全部俺が拭い去ってあげたい、とも。