第5章 伝える
月島side
山口に告白されて一週間。
僕はまだ日向に告白できてない。でもそろそろしなきゃとは思う。山口と約束したしね。
「山口、今日日向に告白する」
「!そっか、頑張ってツッキー!」
休み時間、山口にそういったら早々に影山に一緒に帰ろうと言った。日向にも放課後僕が用あると言ったらしい。
コイツの行動力なんなの…。
部活が終わり、帰り。静かな夜道を僕らは二人で歩いてる。
「ねぇ、日向……」
「ん?なんだ?」
「あの、さ…僕日向が…好き、なんだよね」
やっばい!本当緊張した!なんなの僕、女々し過ぎ!
「え、あ…嘘じゃないよな…月島そういう言わないし…」
「うん、本当。ねえ日向、返事聞いてもいい?」
「ごめん…月島のこと嫌いじゃねぇけど、なんつうか、違う…」
「うん。分かった。…ごめんね、気持ち悪かったでしょ」
「それはない!!」
雰囲気をぶち壊す勢いで、日向が否定した。
いやまさか否定されるなんて思ってもなかった…。
「俺だって好きな奴男だし!恋愛は自由って言うだろ!」
「……日向、好きな人いんの?」
しかも男、って…
多分勢いで言ったんだろうなぁ、日向が狙うとかむりだろうし。
「あ…や、違、くはないけど…」
「誰?」
「……影山、です」
「………」
まさかの王様とか…嗚呼でも二人相棒みたいな立ち位置だし、好きになっても可笑しくはない、か…。
それより日向隠すの下手そうなのに気付かなかった僕って…
山口のカッコよさ改めて知らしめられた感じでムカつく…。
「あの、月島、ごめん…」
「何で謝るの」
「だって、月島の前で言うのは失礼っていうか…」
「気にしないでいいから。日向、頑張りなね。じゃあ」
「え?!お、おう当たり前だ!じゃあな月島!」
なぁんか呆気なかったなぁ…。山口に少し申し訳ないし…。
でも僕、王様に負けたのか…。なんか悔しいな。
明日、どんな顔して会えばいいんだろ…