第3章 先輩と実践と
物陰に隠れながら待機していると、オペレーターのフランさんから連絡が来た。
<「!アラガミの反応を確認!」>
「種類は?」
<「…オウガテイルです」>
討伐目標のお出まし、ですか。
『隊長、迎撃しますか?』
ジ「あぁ。行くぞ」
合図を受け、一足先にオウガテイルの死角を突きながら走り寄った。
物陰から見える生き物…何かを探したり食べたりしている、本物のアラガミ…。
練習では世話になった、バーチャルではない本物のオウガテイルさん。
この肌にピリピリと来る空気感、これが現実。
これが、私達の敵ーー
とりあえずオウガテイルは尻尾の動きに気をつけつつ戦うのは大切だったか、と神機で攻撃をする。
ザシュッ
『はぁっ!もういっちょっ!』
ガッ
何度も練習をしていたことや事前に情報があったこともあって、比較的短時間で一体倒す事が出来た、と思う。
一息ついて、神機を構え直して思った。
同じ新入りのナナさんの方はどうなっただろう?
ふと横を見ると、ちょうど彼女の神機であるハンマーでオウガテイルの頭を潰していた所だった。
…怖っ!!
「なかなか良い動きをするな、新入り。良い機会だ。お前らに良い物を見せてやる」
そう爽やかに微笑みながら言って見せてくれた、”ブラッドアーツ”。
それは一撃のみで、本当に一瞬でオウガテイル3匹を斬り付け、倒した。
どこから湧いて来ましたっけ、そのアラガミさん達!?
「この血の力、ブラッドアーツをどう生かすかはお前達次第だ。さて、帰投するぞ」
「りょうかーい!」
『分かりました…。物足りない…』
あのブラッドアーツはいつになったら出す事が出来るのだろう。
もし出せたら…皆に少しは強くなったと認めてもらえるのかな?