第3章 先輩と実践と
翌日朝一にターミナルを確認していると、早速ジュリウス隊長とナナからメールが来ていてビックリした。
二人ともよろしく、って感じの内容だった。
隊長には、「迷惑をかけるかと思いますが、よろしくお願いいたします」と。
ナナには、「おでんパンは意外と面白い味だったよ。恋しくなったら声かけるね」と、簡単に返信をして今日も訓練を受けに部屋を出た。
今回のは実践を考えた訓練、ではあった。
でもちょっと物足りない感はあったなぁ、作られた雰囲気の為かな?
訓練終了後、ロビーのベンチでちょっと一休みしようと向かうと、ナナさんの方も訓練終わっていたようで、一緒に少し駄弁る。
「それでね、もう恥ずかしくて…」
『まぁ、そう言う時もあるって。でもアラガミの目の前でこけるって…命取りだから気をつけてね?』
「はぁい、反省してますよーだ」
ナナさんがいじけて顔を背けると、奥から自分たちと近い年齢の少年がやってきた。
そしてそのまま目線が合う。やっべ。
?「ふっふー♪…ん、あれ?見ない顔だね、君ら」
「こんにちは!」
『えと、こんにちは、です』
?「あ、ひょっとして、噂の新人さん!?」
「はい、これからお世話になります、先輩」
『以下同文です、はい』
なんとなく同じ事言うのが面倒に感じたので省略したら先輩にツッコミ入れられた。なぜだ?
?「おま、省略するのか…。それにしても先輩…いい響き!よし、俺はロミオっていうんだ!先輩が何でも教えてやるから聞いてくれ!」
『えっと、それじゃ…
「あ、その前に言っておく。ブラッドは甘くないぞ、覚悟しておけよ?」
『…では、ブラッドって?血の力ってなんですか、センパイ?』
「えっと…それは…」
結構どもりながらも説明?をしてくれるロミオ”センパイ”。
でもよく分からないうちにさっさと去って行ってしまった。
「あれ?質問タイムもう終わり…?」
『なんかまずいこと聞いちゃった、かな?』
「そうなのかなぁ?」
とりあえず、気にしない方向でいいだろう。
今の所は。