第1章 目が覚めたら病院でした
「…み!おい…じょうぶ…!」
ぼーっとする頭に声が響く。
「おいっ」
誰かが俺の肩を揺らす。
「何でこんな…」
俺はどうしたんだろう。
目を動かしたが、ぼーっとする頭と同様に視界もぼんやりとして状況把握に至らなかった。
ただ周りが騒がしい事しか分からない。
ピーポーピーポー。
さっきから聞こえるこれは何の音だろう。
「何があったんだ!」
また頭に声が響く。どうやら頭の中に誰か居るようだ。全く…いつ入ったんだか。
何って…しるかよ…俺が聞きたい…。
返事をしたくても口が思うように動かなかった。
ピーポーピーポー。
体が重い。視界が悪い。
ピーポーピーポー。
生きているのか死んだのか。それすら曖昧だ。
「大丈夫ですか?!相模さん!」
今度は誰だよ…五月蝿いな…
そこで俺は体を持ち上げられたことに気づいた。
抵抗する暇もなく何かベッドのような物に乗せられる。
周りが騒がしい。
ピーポーピーポー。
…きゅう…きゅうしゃ…?
赤いランプが騒がしく光っているのが視界の端に写ったのを最後に俺は意識を手放した。