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第11章 アカシックレコード


教室に行くも、
陽くんの姿はなかった。

私は陽くんのクラスの人に尋ねた。

「あの、光武陽くん居ますか?」

「ん?光武?あぁ、さっき女子に呼ばれて体育館の方行ってたよ。」

私はそういわれたので、
何も考えずに体育館の方へ向かった。

体育館を覗いてみるも、
部活をしている人ばかりで陽くんの姿はなかった。

諦めて帰ろうと、
渡り廊下の方へ足を向けると、

体育館の裏の方から
女の子が飛び出してきた。

"ドンッ"

「キャッ」

気付いた時には遅く、
私は彼女とぶつかってしまった。

黒い長い髪で色が白くて
すごく美人な女の子だった。

「ご。ごめんなさい!大丈夫ですか?」

私が手をさしだすと、
彼女は私の手をはじいた。

その目には涙がじんわりと滲んでいた。

「え!?」

ど、どうしよう。
泣かせてしまった。

そう思ってキョドっていると、
女の子は無言で立ち上がり、
その場を走り去ってしまった。

私が呆然としていると、
後ろから突然肩を叩かれた。

驚き、振り返るとそこには陽くんが居た。

「やっぱ雛じゃん!何やってんの?」

陽くんはニコニコと笑いながら、
私を見つめた。

「あ…えっと…陽くん探しに来たら…女の子と…」

私がそういうと、
陽くんは首をかしげた。

「ん?なんかよくわかんねぇけど、俺探しに来たんだな!」
そう言ってヘラっと笑った。

「う、うん!」

あの女の子の事が少し気になったけど、
私はそのまま陽くんと教室までカバンを取りに戻った。

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