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第11章 アカシックレコード


それから、私は陽くんと優月さんのお店へ向かった。

お店に向かっている途中、
さっきの女の子の話を陽くんにしてみた。

「ん?色白の長い黒髪…?あぁ…。」
陽くんは何だか知っているようだった。

「知り合い?」
私が尋ねると、
陽くんは眉間にシワを寄せていた。

「…なんか…俺の事好きなんだって。」

…へ!?

なんとなく、
乃亜の言葉を思い出した。

そういえば、陽くんって
結構モテてるんだっけ!?

あんな美人にも好かれるんだぁー…。

そんな事を考えていると、
少しだけモヤモヤしている自分がいるのに気がついた。

「こ、告白されたの?」

私がそう尋ねると、
陽くんは首を縦に振った。

「付き合うの?」

私がそう尋ねると、
陽くんは首を横に振った。

…どこか安心した自分が居た。

「もうこれで31回目なんだ。あいつが告白してくんの。」

陽くんは溜息をつきながらそう言った。

…31回…

「31回!?」
私は思わず叫んだ。

「1年の時からずーっと…。俺の何がそんな好きなのかわかんねぇーよな。」

陽くんは眉間にシワを寄せていた。

「…陽くんは、明るいし、一緒に居て楽しいからだよ。」

私がそういうと、
陽くんは私の方を見てニコっと笑った。

「お!もしかして雛も俺の事好きなのー?」
陽くんはヘラヘラっと笑った。

「そんなわけっ…」

そう言いかけて止まった。

そういえば、私って陽くんの事どう思ってるんだろ。
嫌いなんてありえないし…
だったら好き?

…いやいや。

いやいやいやいや!!!!

「そんなわけないっ!!!!」

私は思わず大きな声でそう言った。

「お、おう。ごめん。」
陽くんはぎょっとした顔をしていた。


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