第19章 恋風の行方
言い切ってしまうと控え室内がしんとした。花織は風丸の背中を見つめる。いつも通りの背番号二番のユニフォーム。見つめているだけで……どうしてか胸が痛くて痛くて仕方がない。今にも泣きそうなほど胸が痛い。
彼の隣にいられる身分だったなら、もっとマシな言葉があったかもしれない。今まで自分のせいで彼を迷わせ、苦しめてきた。こんな言葉を掛けるだけでも図々しいと思っている。だがそれでも、この言葉こそが花織が今までの中で出した答えだ。今花織にできる最善の策だ。
「……花織」
久しぶりに呼ばれた名に花織の睫毛が揺れた。風丸はゆっくりとした動作で花織を振り返る。花織は息をするのも苦しいほどに胸が締め付けられるのを感じた。彼は優しげに笑っていた、まるで花織に想いを告げたあの時のように。
「守って守って守り抜く、……奴らにシュートは決めさせない。花織が俺のプレーを信じくれるなら、やれると思う。……花織」
風丸が花織に向き直り、髪を揺らした。風丸は目を細めて花織を見つめる。
花織が俺にとってサッカーの原点だ。俺のサッカーは花織と共あった。嫌われていても、花織が鬼道を想っていても……。花織のエールをしっかりと胸の中で受け止める。花織が俺のプレーを信じてくれているのならば、それに答えるまでだ。
そんなことを思いながら彼は花織に囁いた。