第10章 悲壮の決意
どうして雷門中に執着するのだろうか……そんなことは鬼道の知る由もない、そして弱小のサッカーチームが一つ消えようがどうなろうがは鬼道には関係ない。そうすることで全国大会三連覇に一歩でも近づけるのなら、総帥に任せていて問題はないだろう。
負けなければ、鬼道の悲願は達成される……。勝ち続ければ、いつか鬼道の想いも成就できる日がくるのだから。
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風丸と花織は練習後、再び河川敷へと戻り自主練をしていた。練習終了から1時間がたった今ようやく河川敷からは人影が消え始めていた。
学校内に練習する場所のない雷門イレブンは未だに河川敷を練習所として使っているのだが、野生中に勝利してから様々な学校から偵察隊が雷門に派遣され練習の一部始終を記録しているのだ。彼らの前に実力を晒し続けていれば、弱点などすぐに捕えられ対策を講じられてしまう。
そのために特に必殺技の練習は新たにマネージャーとなった理事長の娘、雷門夏未によって禁止されていた。円堂は必殺技の特訓をしたがっていたのだが、やはり場所が無ければどうしようもない。そんな感じで今日一日の練習が終わってしまったため、燃焼不足だった二人は自主練をすることにしたのだった。
一対一で風丸とボールを競り合う。確かに花織は身のこなしも軽く、帝国学園出身ということもありボールコントロールも一般的な未経験者よりも長けてはいたが日々練習を積んでいる風丸にはまだまだ及ばない。ボールを取ったと思えばすぐに取り返される、だがそれを何とか今まで培ってきた体力やスピードで補い、練習として成立している形になっていた。
「ありがとう」
暫く一対一やパス練習をこなした後、二人はコート沿いのベンチに腰掛け休憩を取ることにした。近くの自販機でドリンクを買ってきた風丸が抱えた二つのペットボトルの内、一本を花織へと差し出す。そして彼も花織の隣へと腰掛けた。二人の間には以前、こうやって並んで掛けたときに空いていた距離は無かった。どちらともなく寄り添い、身体を揺らせば時々肩が触れ合う。
「一郎太くん、ごめんね……?私じゃ練習相手にならないでしょう?」
申し訳なさそうに眉を寄せて花織が風丸の顔を覗き込む。風丸は首を振って花織の言葉に微笑みを返した。