第4章 毒薬の功名※
(またね…か。)
彼女の背中を見送り、隣町にいるはずのゼン王子配下騎士団の兵士の詰所に向かい、事情を簡単に、一部を端折って、説明した。
そして、強盗一味は兵士らに連られて、この集落を後にしたのだった。
ゼン王子からの依頼は、強盗事件の調査だったが、すっかり強盗団へ引導を渡してしまった。
まだ調査期間としては猶予があったことと、彼らにほかの仲間がいないか、その周辺を確認しようとその集落への滞在期間を1日延長した。
1日で得られた情報は、強盗たちはもとは北の町から移り住んできた、昔はなんらかの身分を持っていた者たちであることくらいだった。
だが、一日の日延べがいけなかった。
晴天から一変し、真っ黒な厚い雲に、まるでバケツをひっくりかえしたかなような雨という、生憎の天候になった。
とても外を歩けるようなものではない。
出歩ける程度の雨に収まったころには、調査期間として与えられていた5日間の最終日になっていて、雨の中を急ぎ主の元へともどることになったのだった。