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【赤髪の白雪姫】きみの瞳に恋をする

第3章 強盗とウェイター


辛くて美味いラザニアを食べ終わって店を出てから、先ほど出会った柄の悪い男たちは、もしかすると噂の強盗なのかもしれない。そう思っていた。
あの美男子のウエイターも気になったので、しばらく店を見渡せる木の上で、様子を見ることにした。

夜になると、数人の客がまだ食事中にも関わらず、女将さんが店から帰っていき、ウエイターのトーマのみが残った。

そのとき、店の裏手では覆面を被った男たちが4名、何やらこそこそと蠢いていて、そのうち二人は昼間に店を訪れてトーマの足を引っかけた挙句に無銭飲食をした奴らだ。

(ビンゴ。)

男たちが店の中にずかずか入っていく姿をみて、加勢しようかと思ったけれども、すぐに一人の男が崩れ落ちていった。
トーマという美男子は、昼間は奴らにやられるだけだったその人とはまるで別人で、かなりの手練れのようだ。

「へぇ、やるじゃん。」

思わず笑みがこぼれたが、そのとき、近くの木の上から店の中へ矢が飛んでいくのが見えた。

(飛び道具のお仲間か。俺はこっちを相手にしてやりますか。)

そう思って、弓矢を放った本人の所在を探すとすぐに見つけられた。店の中のトーマばかりに気を取られてこちらには全く気付いていない様子だ。気配を消して近づき、後ろから捕まえて軽く頸椎の間を手刀で叩き、気絶させ、肩に担いだ。


店に入ると、すでに3人の覆面の男たちが床に倒れていた。大の男をこう簡単に伸ばせる奴なら、へっぴり腰の覆面の少年の一撃など簡単にかわせるだろう。

そう過信したのがいけなかった。

トーマは、その少年の攻撃を無防備に受け入れたのだ。
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