第2章 君の優しさ
*トキヤ視点*
現在私は飲み物を買い終わり、図書室に向かっている。
(……それにしても、先程の私の顔、彼女に見られなかったでしょうか…………。
……手が触れただけで、あんなに動揺してしまうとは……。
まぁ、今はだいぶ落ち着けましたが…………。)
そんなことを考えているうちに図書室へと着いてしまった。
……ガラッ
ドアを開けて真っ先に目に入ったのは、清水さんが机へ突っ伏している姿。
トキヤ「……清水さん?」
何かあったのかと、彼女のもとへ小走りで向かう。
しかし、彼女はただ寝ていただけだった。
寝ている彼女の横には全て解き終わった問題用紙があった。
私は買ってきた飲み物を机に置き、代わりに問題用紙を手に取った。
(……凄い。こんな難しい問題なのに、全てあっている……。
…………それにしても………………。)
私は問題から彼女の顔へと視線を移した。
(……本当に可愛い寝顔ですね…………。
……他の男には、絶対に見せたくない…………。)
そして、私は周りに誰もいないことを確認すると…………
…………ちゅっ
彼女の髪に軽くキスをした。
(…………何をしているんでしょうか、私は………………。
彼女が私のことをどう思っているのかわからないのに……。
……それだけ、彼女に惚れている、ということなのでしょうか………………。)
その後私は、彼女を起こしてしまったら悪いと思い、メモ帳にメッセージを残し、帰ることにした。
私は、起こさないように彼女の頭をそっと撫で、
トキヤ「……お疲れ様でした。」
と、一言呟いた。
さて、帰ろうか……、と彼女から視線を外し、席を立った時、一つの寝言が私の耳へと届いた。
「…………翼……
…………大好き………………。」
視線を戻した先にあったのは、今までで見たことのないような、彼女の微笑みだった。