第2章 君の優しさ
(……まだ顔熱い…………。
こんなにドキドキしてるのって私だけかな…………。
一ノ瀬さん、あまり表情変わってないもんね…………。)
『彼も同じ気持ちでいて欲しい』なんて、そんな訳ないのに。
少し期待をしてしまってる私は愚かなのだろうか。
そんなこと考えてるのも嫌になってきたので、集中して問題を解くことにした。
(うわ……。この問題難しいなぁ…………。
……でも、これが解けたら一ノ瀬さん、また褒めてくれるかなぁ。)
『よくできましたね。』
さっきの彼の表情を思い出す。
(…………よし、頑張ろう。)
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「……ふぅ、ようやく解けた……。」
ふわぁ、と一つあくびをする。
一ノ瀬さんはまだ帰ってきていない。
(……それにしても、遅いなあ…………。
……あぁ、なんか眠くなってきちゃった……。
最近、あんまり寝ていないからな…………。…………。)
私はそのまま机に突っ伏して寝てしまった。