第2章 君の優しさ
チャイムと同時に二人の体は離れる。
(今、絶対顔真っ赤だ…………。)
「…………。」
トキヤ「…………。」
二人とも無言だったが、このままじゃいけないと思い、私は口を開いた。
「あ、あの、もう戻らないと…………。」
トキヤ「あ、ああ……そうですね…………。
……では、続きはまた明日に。
ああ、それと、明日から部活動停止期間となりますので、勉強会は放課後も行います。よろしいですね?
…………では。」
一ノ瀬さんはうつ向いたまま図書室から出て行った。
「……はぁぁぁぁ…………。」
私はへなへな~と、床に座りこんでしまった。
(……も、もうダメ…………。
胸が苦しい…………。)
自分の胸に手をあててみる。
……ドクンドクンドクン…………
激しい胸の鼓動がまだ続いていた。
(…………うるさい。
早く元に戻ってよぉ…………。)
でも、胸の鼓動は変わらず速く刻まれている。
体に残っている彼の熱。
でも、さっきまであった彼の温もりはもう消えている。
(まさか、私がこんなことを思うなんて…………。)
彼の熱、温もりが、
もっと欲しい、なんて………………。