第2章 2話〜子供だった時期〜
俺の大嫌いな学校生活はいつも校門から始まる。普通の生徒ならスッと通れる場所なのに、何故だか俺は生徒指導に毎回止められている。
「おいコラ金宮ぁ!!お前は何回言ったら解るんだ!?いい加減にしろっ!!!!!!!」
「…はぁ。」
周りには俺の制服や頭髪がどんな風に映ってるんだろうか。違反とか言われても解らない物は解らないから仕方ないじゃん。これは言い訳じゃない、事実だ。決して諦めてる訳じゃない。別に泣きそうになってる訳じゃない、目から汗が出そうなだけ。
ぐっと目に力を入れて、ダッシュで昇降口まで駆け抜けた。ずっと話してたって解るわけないし、誰かと馴れ合うのは御免だ。
急いで靴を履き替えると、俺は教室まで全力疾走した。
今日は朝から本当に嫌な事ばかり起こる。これじゃあ先行きが不安で仕方ない。本当。もう。
「…最悪。」
思わず溢れ落ちた本音。俺は大きな深呼吸を一度すると、覚悟を決めて重い教室の扉を開けた。