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【短編集】夢工房。

第4章 紫陽花(三井)







三井寿とは、同じ湘北高校に通う同級生だった。

入学当初から、彼は目立つ存在だった。

最初は良い意味で。
途中からは悪い意味で。

中学時代は有名なバスケットボール選手だっただけに、身長が高く、顔立ちも良い三井は、とにかく目立っていた。
だからなのだろうか、自信家で我儘な一面もあった。


・・・正直、苦手だと思った。

さらにその感情を助長させる出来事が、入学から一カ月後に起こった。


「三井君がモリスのこと、まあまあ可愛いって言っていたよ」


嘘が本当か。
クラスの男子にそうからかわれてから、なおさら彼の存在は目に入ってきた。


まあまあ可愛いって何?
すごく失礼ではないか。

自分がモテることを棚に上げて、女子を値踏みしているというのか。

いったい何様だ、腹立たしい。


“苦手”から“嫌い”になりかけた頃。


三井は膝に大ケガを負い、入院した。


今から7年も前のこと。





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