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【嵐小説】嵐色〜甘い味〜

第10章 安心の味


「分かった、もう言わなくていいよ」


黙って回した腕の力を強める。


より身体が密着し体温や存在が伝わるように。





潤くんはこう見えて不安症だ。


人前では強がっちゃうけど本当は不安で不安で堪らないらしい。


些細なことの積み重ねや不安の募りが原因で精神的に不安定になってしまう。


だからそうなる前に俺がその不安を取り除く。


本人曰く一緒に居ることで安心するらしい。


「潤くん、ビールは良いから寝よっか」


「…1人で?」


俺を見つめる潤くんの瞳に不安の色が差し込む。


「いつそんなこと言った?

2人で一緒に寝ようよ」


「おうっ」


潤くんの顔が綻ぶ。
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