第2章 start point
「……おしゃぶり、は?」
「…これは、前は"アルコバレーノ"と呼ばれた者たちの手で管理されていたんだがね、今は違う者たちが管理しているよ。」
それって誰ですか、と聞こうとした葵だったが、ぐっと口をつむった。
"これ以上は聞くな"
そう、ティモッテオが入っているような気がしたからだ。
無論、ティモッテオ本人は顔に出している自覚はないるしく、「どうかしたかい?」と首をかしげて尋ねてきた。
葵は、いいえ、と短くそう言って首を振った。
「それで、それが私とどう関係が?」
「あぁー…そうだね。
このトゥリニセッテに使われている石、これは元は一つの大きな石だったそうだ。
その石に宿る大きすぎる力を分散させるために分割し、生まれたのがトゥリニセッテらしい。
じゃあ、ここでひとつ謎が生まれる。
"その石は、誰が管理していたのか"
とね」