第2章 start point
無言のまま腕を引っ張られ、
男に連れられる。
スペルビ・スクアーロ。
そう名乗った男はズカズカとエレベーターに乗ると、最上階フロアを選択し扉を閉めた。
上の階へ上がっていく、妙な浮遊感が襲う。
暫くして、チーンという軽快な音の後に扉が開いた。
「わ、あ……」
思わず声をあげる。
明るい日光が差し込むそのフロアは丸々一つの部屋になっており、あらゆる観葉植物にうめつくされていた。
植物園、のようにも見えた。
「連れてきたぞ、9代目」
スペルビ・スクアーロがエレベーターから降り
歩いて行く。
葵も後を追うようにエレベーターから離れた。