第1章 《第1章》 喧嘩
おそ松「なんでそうなんの!?」
チョロ松「普通に考えたらそうだろ!?」
午後5時半過ぎ頃。僕、チョロ松は長男のおそ松兄さんと何十回、いや、何百回かの喧嘩の最中だ。
原因はひとつ。
僕が少し就活の本に夢中になってて、おそ松兄さんの呼びかけに反応してなかったことだ。
そんなしょうもないことで何でこんな大喧嘩になってることか…僕にもわからない。
でも反応しなかっただけで馬鹿とかシコ松とか…んなことまで言わなくていいだろ!?
おそ松「大体さ、この前も言ったけどお前は就活してますアピールがうざいんだよ!」
チョロ松「就活に夢中になってなーにが悪いんだよ!」
トド松「もう〜二人ともやめなよ〜…みっともないよ…」
十四松「そーだよー!!みんなで折り紙しよお!?」
ほかのみんなにも、迷惑かけてる。ごめんな。
おそ松「あー、もういいよ!お前なんかいなくなっちまえばいいんだ!しんでしまえ!」
しんで、しまえ。
おそ松兄さんは興奮しただけで本当に思ってることではないかもしれない。
しんでしまえって、僕はおそ松兄さんにとって要らないってこと、だよね。兄さんからしんでしまえ。とか生きてきて聞いたことなかったし…
そう思うと目尻に涙が浮かぶ。
トド松「ちょ、ちょっと、おそ松兄さん…さすがにしんでしまえとかはひどいよ…」
一松「さすがに…ねえ」
カラ松「ふっ…喧嘩はやめたまえ。このカラ松様がお前達の…ぐふっ」
一松「黙れクソ松」
トド松が心配そうにいつもより細い声で問いかける。
…それ以外もいるんだけど。
おそ松「いいんだ、いちばんキャラが薄くて六つ子より五つ子の方がパッとするんだろ?トッティよりシコ松の方が俺は要らないと思うけどなぁ」
わざとらしく兄さんは言葉を投げかけてくる。
僕は涙が止まりそうになかった。
居間に不穏な空気が流れる。
僕は兄さんに何も言い返さなかった。いや、言い返せなかった。拳に力をいれたまま。
ますます不穏な空気が流れる。
僕は混乱し、何をしたらいいのかわからなかった。だから、全速力で家を出ていくしかなかった。
トド松「ちょ、ちょ、ちょっと、チョロ松にいさぁん!!??謝ってきておそ松兄さん!」
おそ松「ふん、あいつが反応しなかったから悪いんだ。せいぜい思い知らせてやる。どうせそのうち帰ってくるだろうし!」
十四松「…?」
