第2章 正義のヒーロー参上
とにもかくにも、こんな血塗れた少女を家の前に転がせて置くのも、気が進まない。
かといって、家に入れるのも気が進まない。
警察に届け出るべきなのだろうけれど、生憎、警察は僕達にとっては敵である。
それに、この少女が、この出会いが、必然であるのならば、この少女を何処かへおいやろうと、また僕達の元へ、もっと言うと女王の元へ、引き寄せられるのだから。
誰がどう言おうとも、そうなる様に作られている。世界は必然のみで廻っているのだから。
イレギュラー
………一つだけ、 偶然 が僕の目の前で起こってしまったけれど。
明日も今日も、というか今日は、疲れる一日になる。
それだけは解っていた。予測が出来た。
静かに扉を開けて、室内へ少女を運ぶ。勿論、誰か他の者の部屋にやることは出来ないから、僕の部屋へと引きずり入れる。
こんな血のついた人を、例え女の子だと言えど、触りたくない。触れたくない。
血なんかに、人の死に、僕は兎に角、関わりたくない。
なんて、今じゃ死体ごっこしてた僕にはもう遅いけれど。
取り合えず、床にねせて、服を着替えさせる訳にはいかないし、肌と髪についた血をウェットティッシュで拭き取る。
血なんか目にも入れたくないんだって。僕は。
今日はねれないな、、、
この子が勝手に外に出たりして、誰かに見つかって余計な混乱を招く事だけは避けたい。
まぁ、どちらにせよ、会わせるのだから多少の混乱は致し方ないだろうが、血のついた服なんかで後対面するよりマシだろう。
僕は小さくため息をついて、少女を眺めた