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小狐丸と女審神者

第3章 再び誓う。



「はい、ここに。ぬしさま」
「あ…」
「ぬしさま、小狐はここに居りまする。ぬしさまの手入れのおかげで…ありがとうございます。」
「よ、よか、良かった!」

安心したのか、審神者はボロボロと涙を流す。そんな審神者を見て、小狐丸はオロオロとしながら手を伸ばしそっと審神者の涙を拭う。

「ああ、ぬしさま。どうか泣かないで下さいませ。ご面倒をおかけいたしまして、大変申し訳ありませんでした…」
「面倒なわけないじゃないですか!!」
「ぬ、ぬしさま?」
「貴方達刀剣が傷付いたらお手入れするのは私の、私だけが出来る事です!…面倒なわけ、ないじゃないですか…っ、目を覚ましてくれて本当によかっ、た」

ぐずぐずと泣きながら、審神者は自分の涙を拭う手をぎゅっと握りしめる。

「庇ってくれてありがとうございました、小狐丸さん…大怪我をさせてしまってごめんなさいっ」

ボロボロと涙を流しながら、ぎゅっと小狐丸の手を握りしめて審神者は言う。

「ぬしさま…どうか泣き止んで下さいませ…」
「うぅ、ごめんなさい」
「私はぬしさまに呼ばれここに参りました。ぬしさまを守る事、ぬしさまの役に立つ事が何よりも幸せなのです。本当に、ぬしさまにお怪我がなく、小狐は安堵いたしました」

小狐丸は先ほどと同じ様に、審神者の手の甲を指の腹で撫でる。

「~~っ」

審神者はそんな小狐丸の優しい仕草に更に涙を流すのだった。
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