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小狐丸と女審神者

第3章 再び誓う。


「…、こ、こは?」

重い瞼を半ば無理やり開けるとそこはどことなく見覚えのある天井だった。どうやら自分は布団の上にいるようだ。

「ほん、まるか…」
「目が覚めましたか、ここは本丸の手入れ部屋ですよ」
「太郎、太刀か」
「ええ」
「ぬしさまは無事か?」

ふと感じたのは、何か温かく柔らかいものが自分の手を包み込んでいる感触。そんな感触に小狐丸はのろのろと顔を向ける

「ぬしさま…!」
「…すぅ」
「あまり大声を上げぬように。主はお疲れで寝ていらっしゃるだけですので」
「お怪我はないのか?」
「えぇ、貴方が庇ったお陰で」
「…そうか…」

小狐丸は太郎太刀の言葉にほっと安堵のため息を吐く。

「…しかし、何故ぬしさまは…」
「不眠不休で貴方の手入れをしてらっしゃいましたから」
「な…っ」
「ああ、ご安心を…食事等は鶴丸殿が無理矢理させていましたから」
「…それは、安心してよいのか?」
「人間にとって、食事は大切なもの故」

小狐丸はそっと自分の手を動かして指の腹で審神者の手の甲を撫でる様に動かす。

「んぅ……、っ?こ、小狐丸さん!?」

そんな小狐丸の指の動きに審神者はゆっくりと目を開け、一瞬首を傾げたがすぐにがばりと顔を上げ小狐丸の名前を呼ぶ。
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