第5章 お手入れ
審神者はもんもんと考えている小狐丸に笑うしかない。
「…あ」
そんな審神者の目に入ったのは、小狐丸の髪だった。
「ぬしさま?」
小狐丸は髪の手入れは、誰よりも丁寧だと忠光から聞いたことがあり審神者は今考えついた事を小狐丸に言うのを躊躇するが、意を決して小狐丸の方に顔を上げる。
「あ、あの…髪の毛のお手入れ…は、ダメ…でしょうか?」
「私の毛並みを整えてくださる…と?」
「…は、はい。小狐丸さんがお嫌でなければ、ですが」
「~~~~っ、ぬしさま!」
がばりと、小狐丸が審神者に抱き着くいや、しがみ付く…といったほうが正しいか。
審神者はそんな小狐丸の行動に「ひぁあああ!」と変な声を上げ固まる。
「是非ともお願い致します!」
嬉しい、嬉しいと小狐丸の耳が揺れる度に審神者の頬に触れて擽ったい。