第4章 大和守安定と加州清光
「ねぇねぇ、主!今度、主が爪のお手入れしてよ」
「え!…ちゃ、ちゃんと塗れるでしょうか…」
「大丈夫!そしたら、お礼に俺が主の爪のお手入れしてあげる」
清光はニコニコと、主に笑いかける。
正直、面白くないんだよね…僕の事完全に無視じゃん。
僕はニヤリと笑うと、背後から清光との話に夢中になっている主の首に腕を回してそのまま自分の方へと引き寄せる。
「ひぁ!や、安定く、ん?」
「ちょ、安定!」
「清光ばっかりずるくない?僕だっていつも頑張ってるよ?」
あーあ、主ってば顔真っ赤。
わざと何時もより低い声を主の耳元で出せば、主の耳が更に真っ赤になる。
主の側で清光がぎゃいぎゃい煩いけど、無視無視。
「えっ、と…あっ!」
主は慌ててたけどすぐに、自分の巫女装束の袂を漁り始める。