第3章 再び誓う。
「小狐丸様、申し訳ありませんがその青い冊子を取って頂けますか?」
「…」
「…?」
> じっと、審神者を見てくる小狐丸に審神者はこてんと小首を傾げる。
「ぬしさま」
「はい?」
「何故、ぬしさまは私の事を『様』付けでお呼びになるのですか?」「…え?そ、れは当然、かと」
「当然ではございません。ぬしさまは私をこの世界に「人」として生んで下さったただ一人のお方です、ゆえに私の事は『小狐丸』とお呼びくだされ」
「で、ですが!」
「それに、他の者に『様』を付けていませんでしょう?」
「う…っ」
痛いところをつかれた、と審神者は唸る。
「ぬしさま、さぁ、『小狐丸』と」
小狐丸はニヤリと笑うと、審神者へ距離を縮める。
「な、なんで近付いてくるんですか~!」
「ぬしさまはのお声が良く聞こえる様にでございまする」
「うぅ~」
じっと見てくる小狐丸の視線が痛い…。