第23章 合宿
数分後、部員たちは続々と食堂に入ってきては歓声を上げ、さっさと椅子に座った。
焼肉だからだろうか、昨日までとはテンションが違う。
しばらくすると、赤司くんが来て隣に座って話しかけてきた。
「さっきの試合、見ていてどうだった?」
「...どうって、すごかったけど。」
「そうか。...それにしても今日の夕食は豪華だね。」
「そうだね。」
「今日は最低5枚は食べろ。いいな?」
「....。...うん。」
なんだか断りきれないような目で言われ渋々頷く。
数分したら虹村さんも来た。
「今日の夕飯は随分豪勢だな、おい。」
「そうですね。おいしそうです。」
みんな食堂に集まり食事係の号令で肉やら野菜やらを焼き始めた。
私は最初にみそ汁から飲み始めて肉を焼くのを先導している虹村さんを見ていた。
1プレートにつき4~5人で、虹村さんが肉を焼き、あとの人はそれぞれ食べたい野菜を好きな風に焼いている。
隣の赤司くんはピーマンやナスなどを焼いて綺麗に食べている。
肉を焼き終わったのか虹村さんが私の皿に肉を盛った。
こんなに食べられないよ...。
「今日はいっぱい動いたんだからたらふく食えよ。」
「...うん。」
笑顔で言われるものだから言い返す気力もなく、一枚目の肉を箸で掴み口に入れ咀嚼する。
色んなたれがあるが私はそれを一切つけなかった。
つけたって変わらないことを知っているから。
肉をよく噛んで飲み込んでから白米を食べる。